2011年11月

2011年11月20日

私の足跡 97  熊野古道の伊勢路を歩く 10 三瀬坂峠と滝原宮


  大辺路・伊勢路を歩く  


  伊勢路 10     三瀬坂峠と滝原宮   2011.10.26 

     N氏との旅行も今回で一応終了することになる。伊勢路歩きの最後だったので、ジパングクラブを使っての最安値(自宅から松阪経由で三瀬谷までの往復 約5000円弱)の切符を使った旅行をと企画した。そして、有終の美を飾る所だったが、日程に狂いが生じたのに続き、また、途中の列車の乗り継ぎにミスが出てどうなるか不安になったが、一応最小限の被害ですませることが出来た。

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   失った2時間をカバーするため、当初予定した阿曾駅からのスタートを滝原駅にした。
 
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   14時に駅から東に進み、川を渡ると役場があり、ここから古道に入る。家並みは揃っていないが古道の雰囲気が漂う。林業を誇る町だけに、林業家の木造妻入りの重厚な構えの家もある。
      
          
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   前方に大樹が茂るうっそうととした森が近づく。伊勢神宮の別宮・滝原宮の森である。 

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   滝原宮の由緒には、伊勢神宮に属する宮々の中で最も古いとある。
   
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   深い緑につつまれ長い参道を歩いているとやわり伊勢神宮の内宮を思わせる。

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   そして、内宮では五十川の水で身を清めてお参りするのと同じようになっている。
   約400mの参道の奥には鳥居があり、4社が祀られていた。お参りする社の順番も書いていた。20年に一度の遷宮があるとも書いていた。

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         古道に戻り、やっと三瀬坂峠の標識が見えてきたが、まだ1.5kmとある。急坂が始まり苦しい登りを登っていると「マムシ」の死骸があった。N氏の話では間違いないと言っていた。

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   ジグざク道の急坂をもくもくと登りつめるとそんなに高くないが(265m)やっと三瀬坂峠に到着。

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   峠には、石室の中に地蔵(1756年)が祭られ、その前に行き倒れの供養碑も建っている。左手には茶屋が2軒あったとか。わずかにそれらしい形跡がしのばれる。

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   峠からのジグザグ道を下ると舗装した道になる。しばらく歩くと妙楽寺があり、すぐに上記の標識があった。
 
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     玉石を整然と石垣に囲まれたこんもりと繁る森。その中に小さな社殿が祭られている。その昔、倭姫命が渡られた時案内をした真奈胡神がこの多岐原宮の祭神だ。
 そして、ここから川原へ下ったところが三瀬の渡し場で、川船が一隻、岸に上げられていて、渡し場の昔日をほうふつさせられるとガイドブックに書いていたので楽しみにしていたがとんでもなかった。
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  去る9月の紀伊半島の大洪水でその面影がなく、その時の水位は上の写真の川面から高く上がり,木の一部に青色のごみの所まで来ていたというのがよくわかる。近くの人に聞いてみるとすごく怖かったといっていた。上流のせき止め湖のため、川の水の色はまだ濁っていた。

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    左 くまのみち の標識が大事に残されていた。

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        洪水時の 川の水位がすごく上がっていたのがよくわかる。

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   せき止め湖から流れてきている川と普通の川が合流している所。川の水の色の違いがよくわかる。

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   ここから三瀬谷の町までが約3km少しだが、疲れていたのかすごく長く感じた道だった。上の写真は高速道路の橋です。

  買い物をしていたので、宿舎に到着したのは、6時前で真っ暗になった。       
   


2011年11月10日

私の足跡 96  熊野古道の伊勢路を歩く 9 荷坂峠越え


 大辺路・伊勢路を歩く  



  伊勢路 9    紀伊長嶋駅から荷坂峠を越え梅谷駅

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 かつて 伊勢と紀伊の国境であった峠。二つの峠道があるが中世はツヅラト峠だったが、徳川氏が紀州の殿様になって新しい荷坂峠の道を開発し、以後荷坂峠が中心になり、現在の国道42号線に受け継がれている。
 どちらの道を通るか迷ったが、我らの(和歌山出身)かつての藩主であり八代将軍の徳川吉宗はじめ歴代藩主の何人かも通ったと思われる荷坂峠を通ることにした。
    
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   前回到着した「紀伊長嶋駅」をスタートする。
    しばらく歩くと 国道42号線に出る。片上池を見ながら進む。
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    大きな道の駅「紀伊長嶋マンボー」があり、立ち寄る。    
    
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        道は 片上川にそって、進んで行くと、一里塚があった。

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    道は だんだん山の中に入っていく。

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    いよいよ世界遺産に認定されている荷坂峠への登り坂にかかる。

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    ここにも見事な「ししがき」が連なっていた。農民の工夫と努力が偲ばれる。
     
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    シダに覆われた道を気持ちよく歩けた。

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    足下遥か下、杉林をとおして谷を渡る鉄橋が見え隠れする。昭和5年に開通した旧国鉄の鉄橋だ。
    また、伊勢から紀伊へのこの区間にはトンネルが13もあり、日本一多い。それだけ険しい地形の所を通っているということだ。    

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    沖見平へは 50mの標識がある。
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    「憩いの石」の標識がある。旅人はここで腰をおろして休んでいったのでしょう。 

     
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    峠には 茶屋跡の標識がある。江戸時代のいつの頃からかこの峠に旅宿を兼ねた茶屋が開かれ、西国巡礼や伊勢参拝をする人々の憩いの場となっていた。
    明治末期から昭和初期の鉄道開通までは 峠は人力車の中継地として客待ちの車が数台とまっており、車夫の休憩所となっていた。
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      坂を登り切ると平坦な道が続いていた。

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     旅人の信仰を集めていた石仏三基は道路改修のため、二度移転され現在地に移って来た。
           如意輪観音   宝暦3年(1753年)
           足守り地蔵    文化7年(1810年)
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     ここから、梅谷駅への約3km弱は国道42号に沿って舗装された道を約1時間弱かけて歩いた。


 
  


2011年11月01日

私の足跡 95  熊野古道の伊勢路を歩く 8 三浦峠・平方峠・一石峠越え




 大辺路・伊勢路を歩く  


  伊勢路 8  三浦峠・平方峠・一石峠越え

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  前回の最終地点 人影がなく無人の三野瀬駅を出発
 

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駅を出て 前方を見るとこれからの三浦峠が見える。

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三浦峠への急な上り坂が始まる。     
     
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突然 見事な橋が現われた。標識によると 世界遺産に登録された翌年(2005年)に両岸に残されていた基礎台を生かし、日本古来の橋が造られた。総工費 約2000万円だそうだ。
 ここより 今回の世界遺産の道約1kmが始まる。

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三浦峠の頂上 この道を熊ヶ谷道とも言われている。

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峠を下っていくと、これから通る道瀬海岸と古里の集落が見えてきた。

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古里の町は民宿が立ち並ぶ。古里海岸が広がる。紀伊の松島とも呼ばれるいくつかの島が浮かぶ海だから楽しく歩くことができた。
 
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若宮神社の前を通る。

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 鉄のゲートを通り抜けると山道に入る。平石峠への道は緩やかな登りのつづく林に囲まれた山道だ。峠の南に「平方」という地名があるから平方峠と名がついた。
 
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 いよいよ一石峠への登り坂が見えてきた。1783年の「巡礼指南車」によると「日和よきときは舟になど乗らず 一石古里へ」と書かれた由緒ある峠のひとつらしい。
         
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山道を下り終えると踏切を越え国道42号に出て紀伊長島駅に向かう。

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 国道を歩いていると歩行者・自転車専用のトンネルがあったので通ることにした。長さが573mもあったので涼しい時間を過ごすことができた。

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駅に近づくと港がありたくさんの船があった。そして 紀伊長島駅へ。  

 今回の旅は 峠は三ヵ所あったが全て標高の低い峠であったし、優美な海岸線も歩けて心を癒してくれる楽しい旅だった。