2012年01月15日
私の足跡 102 紀州漆器の町 黒江 等
私の足跡 102
伝統工芸と文化を訪ねる
2011.11.25
和歌山県の施設や地域の振興に努めている施設へ案内してくれるイベントにT氏と初めて参加した。
8:00に総合庁舎を出発し、海南市黒江の最初の見学地・「紀州漆器伝統産業会館」に到着。
紀州漆器の歴史と製造工程についてビデオと館長さんのお話での学習。
日本漆器4大産地の一つで、室町時代 木椀の製造から始まり、江戸時代には庶民の日用品としての需要が高まり、渋地椀の一大産地として、その名が全国に知れ渡った。
館長さんの話の最後の言葉 「皆さん伝統工芸品を後世に続けるためには、伝統工芸品を買ってほしい」ということでした。
館内の見学。漆を使った伝統漆器と科学塗料を使った現在漆器が展示販売していた。
上記の作品は 何れも50から70工程を経て、乾燥日数を含めると約3ヶ月はかかります。木地工程・下地工程・塗り工程・加飾工程と専門の仕事にわかれており、熟練には10年位はかかります。したがって、値段も10万円は越える作品です。
昔からの木製品と最近多く使われる樹脂製品の製造工程の表です。
近年、プラスチック素地とスプレーによる吹き付け塗装が開発され、大量生産が行われるようになって、従来の蒔絵にかわる「シルクスクリーン」技法が登場した。器だけでなく、上記のように単車の塗装に。また、江戸時代の紀伊名所図会に漆の塗装を施し、出来た作品です。
その後、地元の語り部さんの案内で「紀州漆器のまち」 黒江散策に出かけた。
軽自動車一台が通るのが精いっぱいの狭い路地に入っていく。
何軒かの店をのぞきながら進む。
当時 漆器の材料や製品を運んだ荷車。
酒蔵の前で。
当時の井戸ポンプが原型のまま残っていた。
ここは、万葉時代より歌所として詠まれている中言神社です。
「かつて愛する人とともに眺めたこの黒牛潟を今は一人で眺めているのがとても寂しいことだ。」
と詠われている。
旧酒蔵の見学もする。
当時使用していた道具も見せてもらう。
次は 西国観音霊場三十三番 二番札所「紀三井寺」の見学。
楼門(1509年)と鐘楼(1588年)は国の重要文化財。
長い 長い石段(231段)を登り、境内へ。
初めて 新仏殿の大千手十一面観世音菩薩にお参りする。寄木造の立像仏としては日本最大となる総漆金箔張の観音様は平成20年に落慶法要が営まれたとある。
新仏殿の最高所より市内を見る。
次は県立近代美術館で和歌山の大画家 安田龍門画家の生誕130年の「安田龍門」の作品を見学したが、撮影禁止だったので作品は私の胸の中に。
最後は 和歌山県立紀伊風土記の丘の見学。
継体天皇の真の陵墓とみられる今城塚古墳と紀氏の首長墓とされる岩橋千塚の埴輪が展示されていた。
ここも 館内撮影禁止だったので作品は私の胸の中に。
郷土 和歌山県の施設を見学できて有意義な一日だった。但し 皆さまに写真での紹介が出来なかったのは残念です。
次回からは 今までの街道ウォークに戻ります。